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東戸塚田園眼科クリニック
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田園通信

2024年10月23日 [眼科 東戸塚]

加齢黄斑変性にならないためのライフスタイルは?

東戸塚田園眼科です。“加齢黄斑変性シリーズ”5回目の今回は、加齢黄斑変性にならないためのライフスタイルについてまとめさせていただきます。

前回の記事で加齢黄斑変性になりやすい人はどんな人かをまとめました。ものを見ることを含め、人は酸素を用いて活動するときに細胞障害性のある酸化ストレスを発生しますが、酸化ストレスから身体をまもる機能も持ち合わせています。この酸化ストレスから目を守る機能が遺伝的に弱い方や、その機能が弱くなる生活習慣のある方が加齢黄斑変性になりやすいことをお伝えしました。遺伝は変えようがありません。しかし、生活習慣は変えることができます。

酸化ストレスは、加齢黄斑変性以外にも、癌、心血管疾患、糖尿病などさまざまな病気に関与していることが知られています。この記事を読んでいただき、加齢黄斑変性にならないための、そして身体全体の健康にもプラスになるライフスタイルに近づいていただきたいと思います。

1.抗酸化作用をもつ食材を取り入れた食事 「医食同源」という言葉があります。食は病気を予防するもっとも効果の高い生活習慣です。加齢黄斑変性の発症を高める酸化ストレスを解消できる抗酸化作用を持つ栄養素を十分に摂取しましょう。

抗酸化作用を持つ栄養素をまとめます。

@抗酸化ビタミン類
【ビタミンC】 ・抗酸化作用があり、フリーラジカルから細胞を保護します。網膜の健康をサポートするため、加齢黄斑変性のリスク低減に有効です。
・主な食品:柑橘類、キウイ、ピーマン、ブロッコリー
【ビタミンE】
・脂溶性抗酸化物質で、細胞膜の脂質を守り、眼の健康を維持します。
・主な食品:ナッツ類(アーモンド、くるみ)、植物油(オリーブオイル、サフラワー油)
【β-カロテン(ビタミンAの前駆体)】
・網膜の健康維持に役立つとされ、視力の維持やAMD予防に関連しています。
・主な食品:にんじん、かぼちゃ、ほうれん草

Aカロテノイド類
【ルテイン】
・網膜(特に黄斑部)に多く存在し、青色光のダメージから眼を守る効果があります。抗酸化作用もあり、AMDのリスク低減に寄与します。
・主な食品:ほうれん草、ケール、ブロッコリー、ズッキーニ
【ゼアキサンチン】
・ルテインと同様に黄斑部に存在し、光のダメージを軽減します。AMDの予防に効果的とされています。
・主な食品:ケール、ほうれん草、トウモロコシ、ピーマン

Bオメガ3脂肪酸
【DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)】
・抗炎症作用があり、網膜の健康維持に役立ちます。DHAは特に網膜の主要な構成成分で、眼の健康に重要です。
・主な食品:サーモン、イワシ、マグロ、亜麻仁油、チアシード

Cミネラル類
【亜鉛】
・抗酸化酵素の活性化に関与し、ビタミンAの代謝にも重要です。亜鉛は視覚機能の維持に必要で、AMDの進行を抑える効果があるとされています。
・主な食品:牡蠣、赤身の肉、ナッツ、全粒穀物

以上を全部覚えて食事を取るのは大変ですので、簡単にまとめると、さまざまな色の野菜とさまざまな魚介類(特に青魚)を食材に積極的に取り入れるように心がけたいものです。


1−2 抗酸化サプリメント
加齢黄斑変性の進行を防ぐために開発されたサプリメントがあります。上記した抗酸化ビタミン類、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチンなどが配合されており、確実に抗酸化栄養素を摂取できます。しかし、サプリメントだけにたよるのではなく、基本は食事から抗酸化栄養素を幅広く摂取することをお勧めします。サプリメント服用に関しては眼科医に相談ください。

2.禁煙
喫煙はAMDのリスクを高めることが証明されています。禁煙することが重要です。

3.適度な運動
定期的な有酸素運動は、加齢黄斑変性の予防に有効です。

4.日常的な日光の長時間暴露を避ける
紫外線はほとんどが水晶体に吸収されます。しかし、エネルギーの大きな青色光は水晶体を通過して黄斑に集光します。日光の光量は室内電球の何十倍も多く、長時間の日光暴露は黄斑に多量の酸化ストレスを生じます。これが毎日繰り返されると加齢黄斑変性のリスクは高まると考えられています。

5.健康的な体重維持
肥満はAMDのリスクを高めるため、健康的な体重を維持することが重要です。

6.定期的な眼科検診
眼科で眼底検査とOCTの検査を受けていただくと、加齢黄斑変性になりやすい兆候を発見することができます。加齢黄斑変性になりやすい60歳以上の年齢になったら定期的に眼科検診を受けることが大切です。

可能なものから徐々に 実行可能なものから徐々に取り入れて、加齢黄斑変性を防ぐための抗酸化ライフを高めていっていただきたいと願います。

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