東戸塚在住です。緑内障への不安があります
緑内障とはどんな病気ですか? 親族の中に緑内障患者がいます。段々と視力が落ちてきて、気がついたら手遅れだったと話していました。 今のところ自分の中で自覚症状はなく、視力も落ちていないと感じているのですが、ずばり緑内障は若くても発症する可能性はあるのでしょうか?教えてください。 |
緑内障は視野障害がだんだんと広くなる病気です
緑内障は、何らかの原因で視神経が圧迫・障害されて発症する、視野障害が少しづつ広がり、外界を見ることが段々と難しくなっていく病気です。 これまでは一般的に眼球の外に広がろうとする力、すなわち眼圧が高いとなりやすい傾向があるとされてきましたが、近年の調査では正常な眼圧でも発症する人が多いとの結果が出ています。 眼球と脳を結ぶ視神経はおよそ100万本の神経線維で成り立っています。目の奥の網膜で捉えた光を網膜細胞で電気信号に変換し、神経線維を通って脳に伝わることで、人間は「見えた」と自覚するのです。 視神経の圧迫とは、この神経線維が減っていく現象を指します。見ることが可能な視野から、神経線維が減っていくことで「光の電気信号を自覚できない点=見えない点」が増えてきます。これが視野が狭くなってくるという状況です。 若い人の発症例もありますが、平均を取ると40代以降に多く発症する病気です。40代になったら定期的な眼科での受診をおすすめします。というのも、緑内障は自覚症状を感じづらい病気なのです。検査での早期発見が早期治療に繋がります。 緑内障の検査は眼圧検査、眼底検査、視野検査の3つを組み合わせて行います。近年の研究で視神経乳頭陥凹が発見されると緑内障になる確率が高いことも分かってきました。OCT(光干渉断層計)と呼ばれるものを用いてこの視神経乳頭陥凹の早期発見を促します。 緑内障に関しては早めの対処が、その後の視力の安定につながります。減ってしまった網膜神経線維を回復することは叶いませんが、神経線維への圧迫を抑えることで現状を維持することは可能です。症状の進行を止めることが重要視されます。 対処法としては、点眼薬による眼圧下降治療と手術による眼圧下降治療の2つがあります。まずは点眼薬での治療を試み、眼圧の推移を確認します。それでも十分に下がらない場合、レーザー治療(隅角光凝固術)や切開(線維柱帯切開術)などが行われます。 緑内障に対する不安がある場合は、まずはお近くの眼科を受診してみましょう。 |