[眼科 東戸塚]
2022年03月15日
若い世代の急性内斜視
東戸塚田園眼科クリニックです。
3月も半ばとなり日中はコートがいらないほど暖かな日が増えてきました。一雨ごとに本格的な春が近づいてきていますね。
さて、今やスマートフォンやタブレット端末は私たちの生活のなかで手放せないツールとなっています。当院に来られるまだ未就学の小さなお子さんが、器用にスマホを操作している姿を見かけるたびに「すごいなぁ〜」と感心してしまいます。しかし近年、このスマホやタブレット、ゲーム機などのデジタル機器の使い過ぎが原因で、若い世代を中心に急性内斜視を起こす人が増えていることをご存じですか?
そもそも「内斜視」とは右目か左目のどちらかが内側に向いている状態のことで、先天性のもの対し、生後6か月以降に発症したものを「急性内斜視」といいます。通常、私たちは近くのものを見るときには視線を内側に向ける「内よせ」と、ピントを合わせる「調節」の両方を行っています。近くから遠くへ視線を移すときには内よせの筋肉が緩むのですが、近くのものを長時間見続けていると筋肉が縮んだ状態から元に戻りにくくなり、寄り目になってしまいます。寄り目のほかにも、左右の視線がずれるので、ものが二つに見えたり、距離感や立体感が乏しいため、つまずいたり転んだりしがちです。また、子どもの場合は自覚しづらいので周りの大人が普段から目の印象や黒目の位置の異常に気がついてあげることが重要です。
急性内斜視を慢性化させないよう、普段からのセルフケアが大切です。デジタル機器を使う際には目と画面の距離を30cm以上離すようにし、長時間の使用は控え30分に1回は目を休めましょう。また、動いている状態ではピントを合わせづらくなるので、車や電車のなか、歩きスマホなどもできるだけ控えましょう。