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[眼科 東戸塚]

2024年09月25日

加齢黄斑変性になりやすい人は?

加齢黄斑変性は、50歳以上の人の1.3%が発症するとされています。80人に1人がかかる病気です。加齢黄斑変性は日本での失明原因の4位を占め難病と言えます。自分が今後加齢黄斑変性になるかどうか気になると思います。今回は、どんな人が加齢黄斑変性になりやすいかをまとめてみます。心当たりがある人は、眼科で眼底チェックを受けて早期発見に努めたり、加齢黄斑変性になりにくい生活習慣に改善するきっかけとなればと思います。

加齢黄斑変性になりやすい人の特徴
加齢黄斑変性になりやすい人の特徴を影響が大きいと思われるものから挙げてみます。ポイントは、「酸化ストレス」です。
遺伝的に酸化ストレスに弱い人や、酸化ストレスに弱くなる生活習慣の方が加齢黄斑変性になりやすいと考えられています。

遺伝的なりやすさ「酸化ストレスに弱い」
・遺伝的要因:加齢黄斑変性になりやすい遺伝子多型が複数見つかっています。次の章でわかりやすく説明します。

・家族歴のある方:家族に加齢黄斑変性を持つ人がいる場合、リスクが高まることが示されています。

・人種による違い:白人は、アジア人やアフリカ系アメリカ人よりも加齢黄斑変性のリスクが高い傾向があります。

生活習慣「酸化ストレスに弱くなる生活習慣」
・喫煙習慣がある:喫煙は加齢黄斑変性のリスクを2〜3倍に高めるとされています。

・食生活における抗酸化栄養素不足:ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、亜鉛などの抗酸化作用のある栄養素が不足している人。食べ物で言うと、青魚、野菜、果物の不足とも言えます。

・長期的な日光曝露:紫外線への長期的な曝露が目にダメージを与え、加齢黄斑変性のリスクを増大させる可能性があります。

長寿の方: 加齢黄斑変性は、年齢とともに罹病率が高くなり、75歳以上で急激に高くなります。つまり、長寿であるほど、リスクは高いことになります。

男性:男性の方が女性に比べて約3倍多く発症する傾向があります。

持病のある方:
・肥満:肥満である人は、進行型の加齢黄斑変性を発症するリスクが高いとされています。

・高血圧や心血管疾患:高血圧や心血管疾患がある人もリスクが高いです。

加齢黄斑変性になりやすい遺伝子多型とは?

加齢黄斑変性になりやすい「遺伝子多型」が5種類くらい見つかっています。「遺伝子多型」とは、難しそうな言葉ですね。簡単に言うと、人の個性の違いを決める遺伝子の違いです。例えば、人には『お酒が強い、弱い』、『耳垢が乾いている、湿っている』などの個性がありますね。このひとつひとつの個性を決めているのが「遺伝所多型」という遺伝子の違いなのです。それぞれの遺伝子の一部に小さな差異があり、これが個性を決めます。そして、無数にある個性の集合体が人の個性なのです。

加齢黄斑変性になりやすい「遺伝子多型」の代表的なものを最後に挙げてみます。専門性の高い内容になりますが興味のある方はご覧ください。

変えられるのは生活習慣
遺伝的に加齢黄斑変性になりやすいのは変えられません。しかし、生活習慣は変えることができます。次回は、生活習慣をどのように変えれば加齢黄斑変性になりにくい身体に変えることができるかをお伝えしたいと思います。

付録

1. CFH遺伝子(Complement Factor H)
遺伝子多型: Y402H(Tyr402His)
説明: CFH遺伝子は補体制御タンパク質の産生を調節しており、炎症反応や免疫反応に関与しています。Y402H多型が存在すると、補体の制御が不完全となり、網膜で慢性的な炎症が引き起こされる可能性が高くなります。この変異は、AMDのリスクを大幅に増加させることが知られています。
影響: Y402H多型を持つ人は、持っていない人に比べて約2〜7倍のリスクがあるとされています。

2. ARMS2遺伝子(Age-Related Maculopathy Susceptibility 2)
遺伝子多型: A69S(Ala69Ser)
説明: ARMS2遺伝子は加齢黄斑変性のリスクに深く関わるとされている遺伝子で、A69S多型はAMDの発症リスクを著しく増加させます。ARMS2遺伝子の機能自体はまだ完全には解明されていませんが、ミトコンドリア機能や酸化ストレス応答に関連している可能性があるとされています。

影響: A69S変異は、特に滲出型AMDのリスクを大幅に高める要因となり、持つ人はリスクが数倍に上昇します。

3. C3遺伝子(Complement Component 3)
遺伝子多型: R102G(Arg102Gly)
説明: C3は補体系の中心的な役割を担う成分であり、免疫応答や炎症反応の調節に関与しています。R102G変異は、補体カスケードの制御異常を引き起こし、網膜における炎症や組織ダメージを促進すると考えられています。この多型は、AMDのリスクを高めることが複数の研究で示されています。
影響: R102G変異は、AMDのリスクをおよそ1.7〜2倍に増加させるとされています。

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