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田園通信

[眼科 東戸塚]

2024年05月26日

病気にかかりやすい黄斑のことを知ろう1-1 〜黄斑はとても大切な場所〜

前回、加齢黄斑変性になると見たいところが見えなくなることをご説明しました。
話している時人の顔が見えなくなったり、スマホが見えなくなったりなど、今まで当たり前にしてきたことが急にできなくなる病気です。
この病気が起きる場所は、「黄斑(おうはん)」といいます。黄斑は網膜の一番機能の高いところで、視力を司っています。だから、黄斑の病気になると、見えにくくなり生活への影響が大きいのです。
実は、この黄斑、加齢黄斑変性以外にもさまざまな病気になりやすいことで知られています。
黄斑の健康はものを見る健康、黄斑を守ることは視力を守ることです。今回は、黄斑について知って黄斑を守ることの大切さをお伝えします。

黄斑
1.黄斑は機能が高いが弱くて危険にさらされている
黄斑は、とても高機能なためか、逆に弱くて危険にさらされています。
@黄斑は薄い
脳や網膜などの神経組織は、もともと物理的力に対して弱いですが、黄斑は特に弱い組織と言えます。
なぜなら、高い視力を生み出すために、黄斑は中心にいくほどグリア細胞などの網膜を守る役割をするが視力には必要ない細胞が減り、厚みが薄くなっていくからです。このため、黄斑の中心は孔が開きやすくもあり(病名:黄斑円孔)、引っ張る力に弱く厚くなりやすい(黄斑前膜)のです。

A黄斑は光の集中に晒されている
ものがはっきり見えるということは、目に入ってくる光が黄斑の中心でフォーカスを結んでいるということです。
つまり、黄斑には絶えず光が集中し、酸化ストレスという負担がかかっています。
もともと人間は、この酸化ストレスから黄斑を守るしくみを持っているのですが、このしくみが遺伝的に弱く加齢によりさらに弱まると黄斑の酸化ストレス性の障害が進み加齢黄斑変性が発症します。

次回は、黄斑がかかりやすい病気と予防法についてご紹介させていただきます。

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