[眼科 東戸塚]
2023年12月17日
【まとめ】冬の寒さと眼病の関係〜主な症状と予防対策〜
東戸塚田園眼科クリニックです。
冬は、気温の低下や暖房により、特定の眼病が発生しやすくなります。
この記事では、冬に起こりやすい眼のトラブルと、
それらの症状、治療法、そして予防策について、ご説明させていただきます。
〜冬の眼病の原因となるもの〜
・乾燥:冬は、まず乾燥する季節なので、常に表面が潤っていないといけない目にとっては辛い季節です。
・ハウスダスト:寒さ対策で使うエアコンの風が、1年間貯めたハウスダストを舞い上げるため、アレルギーを引き起こしやすくなります。
・寒暖差:冬は、「部屋は暖かく、外は寒い」、あるいは「風呂は暖かく、脱衣所は寒い」という寒暖差ができやすいです。
寒いところから暖かいところへ移動したときに、収縮していた血管が急に拡張して急激な血圧低下をきたすことを「ヒートショック」と呼びます。
これが起きると、脳や心臓や目の血管に問題を抱えている人が、突然病気を発症してしまうことがあります。
これは、冬のお風呂での突然死の原因にもなります。目に関しても、寒暖差により目の中の血管が影響を受けて、眼病を引き起こすきっかけになることがあります。
〜冬に起こる眼病の種類〜
結膜下出血
原因:白目にある結膜の血管が切れることで起こります。
症状:白目が真っ赤になりますが、視力に影響はありません。痛みを感じることもありますが、鏡を見る、人に指摘されることによって、気が付くことがほとんどです。
予防と治療:血圧の変動が大きいと起こりやすいので、代謝を急激に上げるような行為を避けましょう。出血は通常2週間程度で自然に吸収されます。
ドライアイ
原因:冬の乾燥と、暖房による室内の乾燥がドライアイを悪化させます。
症状:目の乾燥、角膜表面の障害など
予防と治療:長時間連続して液晶画面を見ないことや、まばたきを意識すること。加湿器の使用や、必要に応じて人工涙液の使用が予防に有効です。悪化したら、ドライアイ専門の点眼薬や目のケアを行う必要があります。
アレルギー性結膜炎
原因:室内のハウスダストや動物の毛、花粉などがアレルゲンになります。特に、冬場はエアコンの風でアレルゲンが舞い上がり、目に付着しやすくなります。
症状:目のかゆみ、充血など
予防と治療:室内の掃除を定期的に行い、アレルゲンを減らしましょう。エアコンは強風を使わないようにしましょう。症状が出てしまったら、抗アレルギー薬の使用が効果的です。
緑内障
原因:眼圧には季節変動があり、冬場は眼圧が上がりやすいことで知られています。緑内障の中でも、落屑緑内障や血管新生緑内障など特殊な緑内障は、冬場に急激に眼圧が上昇して危機を招くことがありますので、特に注意が必要です。
症状:通常は自覚症状がほとんどありません。しかし、落屑緑内障や血管新生緑内障など、特殊な緑内障で急激に眼圧が上がると、目の痛み、頭痛、吐き気を自覚します。
予防と治療:すでに緑内障の治療を受けている方は、冬場はしっかり定期診察を受けることをお勧めします。
網膜動脈閉塞症
原因:頸動脈や心臓で生じた血栓が目に飛び、網膜動脈を詰まらせます。また、冬場の寒暖差によるヒートショックが引き金になることがあります。
症状:網膜中心動脈が詰まると、突然見えなくなります。2時間以内に治療をしないと視力は戻りません。網膜動脈枝の詰まる場合は視野欠損が起こります。
予防と治療:高齢になったら、心臓の不整脈や頸動脈の動脈硬化がないかを調べ、ある場合は治療をしておくことで防げます。
網膜静脈閉塞症
原因:高血圧がある方は、高血圧で硬くなった網膜動脈が静脈を押して、網膜静脈に血栓ができやすくなり、網膜静脈が詰まった状態をいいます。また、冬場の寒暖差によるヒートショックが引き金になることがあります。
症状:網膜静脈が詰まると、網膜の中心にある黄斑が浮腫んで、視力が低下します。
予防と治療:高血圧がある方は、高血圧の治療で血圧を低く安定させることで予防できます。起きてしまったら、黄斑の浮腫みを取る硝子体注射を行います。
冬場に起こりやすい身近な病気から、重い病気までを挙げました。
目は、私たちの生活にとって非常に重要な器官です。
特に冬場は、上記のような症状を念頭においていただき、
視力の低下や目の奥の痛みなど、少しでも異常を感じた場合は、早めに眼科医を受診しましょう。
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