[眼科 東戸塚]
2023年09月29日
夏の時期の目のトラブルについて【常在菌】
東戸塚田園眼科クリニックです。
今年の夏はこれまでで1番暑い夏となった所も多かったですね。
長かった夏もようやく終わりが近づき、秋の気配を感じられるようになってきました。
疲れが出やすい時期です。休息をとりながら無理をせずにお過ごし下さい。
さて、前回は夏に気を付けたい目の日焼けについてのお話でしたが、その他にも夏の時期に起こりやすい目の病気に結膜炎やものもらいがあります。
なぜ、夏にこうした目の表面の病気が多いのでしょう?
そのカギを握るのは…
「常在菌」
実は私たちの目の表面には、目に見えませんが、
黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌、肺炎球菌などが常に住み着いています。
これらは常在菌と言われていて、普段は、数も増えることはなく、悪さもしません。
しかし免疫力が落ちたり、目の表面の環境が悪くなると、急に増えだして、結膜やまぶたの炎症(充血やむくみ)を引き起こしてしまうのです。
高温多湿な日本の夏は、結膜炎の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。
「夏バテ」というように、免疫力が落ちやすい季節でもありますね。
結膜炎の症状は充血、目のかゆみ、目やにや異物感など様々ですが、強い痛みを伴うこともあります。
まぶたの病気はものもらいや毛嚢炎など、まつ毛の付け根付近や毛根に細菌が増えて腫れや痛みが起こります。
また、夏に流行る結膜炎には「はやり目」と言われるウイルス性結膜炎が有名です。
今年の夏は、「プール熱」といわれる咽頭結膜炎が急増したそうです。
これも、ウイルス性結膜炎の1つで、咽頭炎も伴い発熱する特徴があります。
こうした結膜炎は、原因はウイルス感染ですが、ウイルス感染に伴う常在菌の増殖が症状を悪化させます。
病気になってしまったら、市販薬で済ませず、まず眼科を受診しましょう。
抗菌点眼や抗菌眼軟膏を使って、目の表面に増えた常在菌を抑えます。
症状に合わせて、ステロイド点眼や非ステロイド性抗炎症剤点眼を用います。
繰り返し結膜炎になって抗菌点眼を長期使用すると、耐性菌が増えてしまうというデメリットがありますので、
普段から目や目の周りを清潔に保ち、常在菌が増えないようにする目のケアも大切です。
そして十分な休養や睡眠をとって免疫力を落とさないようにしましょう。
「病気は、かからない」が一番ですね!
【参考文献/結膜炎@】日本眼科学会
【参考文献/結膜炎A】日本眼科医会
【参考文献/ものもらい】日本眼科学会
【当院へのご予約はこちら】